2020年の夢を食らう

​香川から来たジムニーのある景色 

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​ 現在、大島の「てる小屋」にある車は、ステップワゴン・ジムニー・50㏄のバイクである。すべて中古でいつも不調を抱えている。それぞれがこの地にやってきた過程は車ごとにちがうし、ナンバープレートも「練馬」「品川」「阿佐ヶ谷区」とみな違う。

 車がないと生活がしにくいのはどこの田舎でも同様なのだが、2020年は、これらの車が同時に動くことはほどんとない。ここにあるのは、田舎の生活のためではなく。この美術展のために用意されたもので稼働が集中するのは、夏の3か月間なのだから。

 それでも、今、欲しい車は問われれば、即座に「軽トラ」と答える。

 2020年、軽トラがあれば、多くの用件は​済ますことができるのだが、それに替わるジムニーを通して、「今」を見ていきたい。

バックドアのへこみは気にならない。エアコンも効かなくてもいい。それより一か月ほど島を離れ戻った日に。外してあったバッテリーを繋ぎ、キーをひねってエンジン音が聞こえると安心する。エンジンがかからなければ、バッテリーチャージーを繋ぐことになる。晩飯の買い出しに行けるかどうかの瀬戸際なのである。

​大火事のこと

​ 元町が海風にあおられた火の粉が舞い、その年の10大ニュースに載るほどの大火事が起こったのは、1965年(昭和40年)のこと。元町の中心部16万㎡以上を焼き尽くした大火で400戸以上の家屋が焼けた。今、広い道と防火壁に囲まれた住居が立ち並ぶ場所はすべて焼け野原となった。ここの映る、藤井経師屋さんの建物は、その大火を免れた。下の写真には、二葉堂が映っている。その建物は防火壁に囲まれている。そして手前が撤去した建物の跡地である。藤井さんは、仕事を引退したわけではなく、今でも軽バンで忙しく走り回っている。

​ 元町も、大火前は玉石の路地が家々を結ぶ風情ある屋並みが続いていた。島の建物の寿命は短い。特に昭和の建物は、金物のジョイントや部材も多く、潮風に弱い。台風・大火・噴火・津波・土石流が身近ある生活であることは間違いない。

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